それでも、ウクライナのパス回し、サイドからの攻撃は素晴らしく、あとはゴール前に運んで枠に入れるだけのところまで攻め込みますが、その先がいけませんでした。やはり代表FW2人が抜けては、欧州トップクラスの国でも点が獲れないものなのでしょうか。日本がよく守ったとも言えますが。
後半早々退場者を出し、最後はPKを決められ、1点差で負けました。もっと点差が開くと見ていましたが、日本は10人で戦ってよく持ちこたえたと思います。中田が孤軍奮闘といった感じでした。その中田ですら、1対1で負けていた場面もありましたので、ウクライナの実力は相当なものと思われました。
審判の判定には、日本側やネット上でかなり不満の声が聞こえましたが、あれ位は覚悟しておかなければならなかったでしょう。確かに日本には厳し過ぎたとはいえ、これがアウェーです。日韓W杯ではもっと酷い判定もありました。今度の遠征は、どんな悪条件の下でも良い試合内容を見せ、勝ちを収めるためのシミュレーションでもあった筈です。負けてしまっては、その目的は果たせませんでしたが。
試合の内容は、残念ながら、両国の力の差を再認識させるものでした。シュート4本では勝つチャンスが全く無かった試合といっても過言ではないと思います。日本代表には何か収穫があったのでしょうか。いつものように、アレックスは再三相手サイドバックの選手に振り切られ、ピンチを招いていました。ジーコが途中でアレックスを引っ込めたのは、やっとブラジル人びいきの危うさに気が付いたからかもしれません。もし、そうだとすれば、それがこの遠征の最大の収穫だったといえるでしょう。