試合開始前、いつもにも増して観客はやたら大声で話し合ったり、場内放送の担当も舞い上がっていたりして、決意を秘めて大事な試合に静かに臨むという雰囲気を望むことはとてもできない状況でした。興奮が最高潮に達したのは、後半終了間際に巻が勝ち越しゴールを決めた時でした。観客の興奮に引きずられ、まだ試合は終わっていないのに選手までも勝った気になって冷静さを失ってしまったようです。この前の鹿島戦でも、横浜との日産スタ戦でも経験していたのに、終了間際に失点し、引き分けてしまいました。
私は今日の晴れがましい日に、敢えて、ジェフにとって最悪のシーズンであった99年に特定のサポに配られた「99 BEST SUPPORTER」アノラックを身につけて観戦しました。ザムフィール監督、中西、広山、山口、バロンのサイン入りです(実は私のものではありませんが、無理やり専有しています)。強くなってこんな立派なスタジアムで試合ができるのは、苦しい中で頑張ってくれた先輩選手や監督のお陰であることを選手たちに思い起こして欲しかったからです。99年の残留を掛けた最終戦、1点を守りきるために、広山が西脇が武藤が必死でボールキープした姿が忘れられません。
いま、99年レギュラーでプレーしていた選手は阿部しかいません。ほとんどの選手がジェフが強くなってから入団した選手です。強くなって1点の重みをあの当時ほど深刻に受け止める必要がなくなったのは、幸せなのか不幸なのか考えさせられます。