2009/09/07 真の敗因は

日本代表とオランダとの試合は、例によって、ところどころTVで観戦しました。後半途中までは見た目は互角以上に戦い、最後は失速して3失点し完敗の試合でした。

試合後の監督のコメントは、疲れなどから前線からのプレスが効かなくなったのでやられた、これを90分間やり切るしか道はない、との趣旨だったように受け取っています。マスコミもほぼ同様の意見だったようで、本田が交代出場し守備をしないことがそれに輪をかけたと伝えています。もっとも、これは中村のコメントの受け売りかもしれません。評論家の中には、90分間プレスを掛け続けるなど、カミカゼ突撃ができるわけはないと論評している人もいます。

私ははっきり言って、個の力の差が大き過ぎて、とても当面改善の余地はなく、W杯で強豪国に勝つなど夢のまた夢だと思いました。プレスが掛け続けられるか否かの問題以前の話です。プレスを続けられればある程度有効かもしれませんが、それで勝てるかというと、よほどの幸運に恵まれないといけないでしょう。日本代表のゴール付近でのプレーに得点の臭いを感じません。点が獲れなければ勝てないのは自明のことです。そこへ行くと、オランダの点の獲り方は衝撃的でした。ゴール前の密集の中でもゴールに向かって強い、正確なボールを蹴ることができます。マークが付いていても日本の代表DF程度なら簡単に交わしてゴールしました。守備でも、DF陣は日本攻撃陣に危うい場面などほとんど作らせませんでした。多分、中村のFKが得点に最も近かったプレーでしょう。流れの中では皆無です。

決定力も守備力も、要はゴール付近における個人能力の質の差は歴然としています。この差は有能な監督のもと、超長期に渡って計画的にチーム作り(個の力をあげるか、差を補う方策を養うか)をしないと埋めきれないと感じさせました。自国の戦力を的確に評価できず、目先のW杯でベスト4を目指すなどという世迷言を言うような指導者は今回限りとして欲しいものです。