キヤノンHF S21の全貌

HFS21の製品内容がキヤノンHPで発表されました。3月中旬の発売です。

ソニーのCX550V(正式発表はまだ)との比較でいくと、撮影素子はHFS21がやや大きく、有効画素数も601万画素対415万画素と開きがあります。これが、画質を落とさずデジタルズームした時の倍率の差HFS21では17倍、CX550Vでは14倍に響いているのではないかと想像されます。もともとCX550Vは広角側を広く取ったレンズで、この点は高く評価されますが、最大望遠が417mmにとどまることはサッカー撮影では弱点となるでしょう。テレコンバージョンレンズの併用も考えなければなりません。これに対し、HFS21は最大望遠739.5mmと十分な能力です。カワセミ撮影においても効果を発揮しそうです。

カワセミ撮影においては、ピント合わせが大事なポイントとなります。HFS21では、タッチフォーカス(モニター画面にタッチしたところにピントを合わせる機能)、タッチ追尾(モニターでタッチした対象が動いてもずっと追いかける)が可能です。また、マニュアルではピーキング(ピントが合っている場所に色をつける)機能が付いているので、ピントが合っているかどうか確認しやすくなります。拡大フォーカス(マニュアルでピント合わせを行う際に画面を拡大する)もあるようです。CX550Vについては、今のところ、この点が明確ではありません。タッチフォーカスはできますが、タッチ追尾はできるかどうか確認できません。これまでの経過からすると、拡大フォーカス、ピーキングともに期待できないでしょう。ピント合わせでは全般にHFS21が使いやすそうですが、肝心のビューファインダの画素数はHFS21が123k、CX550Vが201kと大分開きがあります。悩ましいところです。

そのほかの点には、私が使う分にはそれほどの違いはありません。記録ビットレートは24Mbpsに揃いましたし、ビューファインダーも付きました。記録メディアはフラッシュメモリでどちらもSDカードが使えます。虹彩絞り(HFS21は4枚羽根、CX550Vは6枚羽根)が採用されボケが美しくなりました。LANC端子もなんとかなりそうです。

現段階では、サッカー撮影に使う上で望遠が効くHFS21が優位にあるような気がしますが、最大の不安は、口径が58mmと大きく、カワセミ撮影時にフィールドスコープとうまくマッチしてくれるかどうかです。この点は実際に取り付けてみないことには確認できません。リスクを犯さないとすれば、CX550Vになります。あとは、パナソニックの新製品、ソニーの業務用新製品が出揃ったところで、最終的な結論を下すことになります。