1次リーグ最大の驚き

深夜の日本-デンマーク戦は3-1で勝ちました。前夜どうしてもやらなければならないことがあったので、早く寝ることができず、翌日の勤務のためにはTV観戦は断念せざるをえませんでした。結果は朝起きて知りました。家に帰ってからビデオで内容を確認します。

前回書いたことの繰り返しとなりますが、オランダ、デンマーク、カメルーンが揃ったE組で日本が勝ち抜けることなど夢としか思っていませんでした。それはアジア予選やW杯前のテストマッチの戦いぶりから、岡田の目指すサッカーではとても世界では通用しないと見ていたからです。見事に裏切られました。岡田は、それまでのパスをつなぐ攻撃的サッカーをあっさり捨て、守備的に戦う戦術に変更しました。これだけの結果を出されると、頑固な現実主義者は、攻撃的サッカーでは勝てないことを選手に知らしめ、不満を持たずに守備に邁進させる(当然、レギュラーの入れ替えも起こる)ために、敢えて回り道をしたのではないかと、勘ぐりたくもなります。それほどの策士ではないと思いますが。

今日の試合は、日本は引き分けでも良いという、いわば0.5点位のアドバンテージを貰った試合でした。デンマークはどうしても点を獲らなければならないので、本来守備的なチームが最初から攻撃的にならざるをえません。そこには必ず隙ができます。日本はカウンターで点を獲るというのが狙いだったのではないでしょうか。こうした優位な立場に立たせたのは緒戦のカメルーン戦での勝利です。カメルーンが迷走してくれたお陰で(カメルーンはデンマーク戦では良い試合をしていました)、勝ち取った決勝トーナメント進出といえます。

どういう状況にせよ日本が2勝し勝ち抜けたことは、世界の目から見て、今大会1次リーグでの最大の驚きと言ってもよいのではないでしょうか。イタリア、フランスの敗退は衝撃的であっても、一部では苦戦を予想する向きもありましたし、また、初出場スロバキアの勝ち上がりは快挙ですが、あの強かったチェコスロバキアの片割れです(ジェフの元監督ベングロッシュさんとモラフチクの母国でもあります)。それに比べ日本の勝ち抜けを予想した海外メディアがあったでしょうか。日本チームの体格、技術、戦術はまだ世界トップレベルに遠く、敏捷性とまじめさ(組織力と走力)だけではタカが知れているというのが共通した見方だったのではないでしょうか。日本は試合ごとに逞しさを増しているのが感じられます。FKでは個人技を発揮できました(標高、ボールのせいか、これまで各国ともほとんどFKを決めていない)。この驚きをどこまで続けられるか、大会の後半戦を楽しみたいと思います。