予想外の好結果

W杯日本代表の緒戦はカメルーンに1-0で勝ちました。海外の大会では初の、記念すべき勝利でした。

事前には、オランダ、デンマーク、カメルーンが揃ったこの組で、日本はとても勝利をあげることはできないと、悲観的に予想していました。守備がもろく失点を重ねるばかりで、一向に改善の気配がみられないチームに失望していました。しかし、見事に予想が外れました。何故外れたかは、日本側というよりカメルーン側にあったように思います。アフリカのチームは良い時と悪い時の差が激しいのが特徴です。今回のカメルーンはチーム内のゴタゴタのせいか、かつての「不屈のライオン」とはほど遠く、大味でミスだらけ、悪いカメルーンでした。監督との確執から主力選手2人が外され、一番怖いエトーはゴールから離れた位置でプレーしてくれたので、助かりました。

日本はワンチャンスをものにしました。ゴール場面以外得点機会は皆無でした(岡崎の枠に当たったシュートはオフサイド)。それでも勝てたのは、全員が守備で頑張った効果でしょう。無闇に前線からプレスにいくようなこともなく、エトーなどには複数できちんと対応していました。最後はラインが下がってシュートを浴びましたが、これまでの試合における守備からすると、最後まで守りきれたのは進歩です。カメルーンの攻撃が雑だったので助かった面が大きかったのかもしれませんが。一方、攻撃面ではシュートまでいくような場面はほとんどみられず、放ったシュート数はカメルーンの半分以下でした。前線の選手にサイドやボランチが絡む場面が少なく、要は守備的に戦った結果といえましょう。

この勝利は、普通ならば、一次リーグ勝ち抜けに向け大きく前進したと喜ぶべきところですが、今回はそううまく行きそうにありません。この組でカメルーンは落ちこぼれてしまったようなものなので、残り3チ-ムでのリーグ戦になったと理解すべきでしょう。日本にとってまだ何も始まっていません。確実に突破するには、オランダ、デンマークどちらかに勝たなければならなくなります(実際には、引き分けのケースなどもっと複雑です)。これは至難の業です。もっとも、死んだはずのライオンが生き返ってライバルを倒してくれれば、途は少し拓けます。